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選び方・ポイント

自動車保険料の平均はいくら?保険料の仕組みや年代別の相場を解説

車を運転する人にとって欠かせない自動車保険。保険料は車の維持費を大きく左右することにもなるので、相場は気になるところですよね。

とはいえ任意の自動車保険料は、あらゆる条件に応じて決定されるため、一概に平均値を出すことはできません。そもそも自動車保険料の仕組みはどのようになっていて、保険料が決められるのでしょうか。

今回は、自動車保険料の仕組みと年代別の保険料相場について解説いたします。保険料の抑え方についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

自動車保険料の平均値は?

まずは全体的な自動車保険料の平均値を、損害保険料率算出機構が公表しているデータを利用して算出しました。

2020年度「自動車保険の概況」から、自動車保険料の平均値はおよそ58,000円/年(※)であることが分かります。

しかし、これはあくまでも全体的な保険料の平均値。実際に保険料がいくらになるかは、1人ひとりの条件によって大きく異なります。

契約内容によって、年間10万円を超える保険料の人もいれば、1万円程度で済む人もいるのです。

(※)2020年度「自動車保険の概況」P106より、任意保険料の総額÷総契約台数によって算出

自動車保険料の仕組みとは?保険料率を決める4つのポイント

任意保険の保険料率は、大きく2つの方法によって算出されています。

1つ目は、保険会社ごとに独自の料率を用いる方法。2つ目は「損害保険料率算出機構」という団体が算出する「参考純率」を元に計算する方法です。

 

契約者から保険料を集めて、いざというときの保険金を契約者に支払う仕組みの“保険”という商品。その特性上、不公平さをなくすために、事故を起こす可能性の高い人は保険料を高く、可能性が低い人は保険料が安くなるようにと、あらゆるデータを用いて保険料率を決定しています。

保険料率が決定される条件については、下記のような項目が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.過去の事故歴(ノンフリート等級)

等級はその人の事故歴や運転歴を表す数字のようなもの。

初めての保険契約のときには、6等級からスタートします。自動車保険を利用するような事故がなければ更新するごとに1等級ずつ上がり、それに伴い保険料も安くなっていく仕組みです。

契約する保険会社を途中で変えても等級は引き継がれるので、運転手のステータスになるとも言えるでしょう。

 

万が一事故を起こした場合、「事故有係数」が適用される点には注意が必要です。

例えば同じ10等級でも、無事故で10等級を迎えた人と、事故を起こして13等級から10等級へと等級ダウンした人の保険料を比べると、無事故の人の方が保険料率が安く設定されています。

事故有係数はずっと続くわけではなく、3等級ダウン事故なら3年間、1等級ダウン事故なら1年間、保険料が割高となる仕組みです。

https://sonpo.jitensha-hoken.jp/insurance-grade/

2.車の型式・種類

意外に思う人もいるかもしれませんが、車の種類によっても事故率が変動するとされています。ここでいう自動車の種類は、以下の通りです。

  • 普通・小型自動車
  • 軽四輪乗用車
  • 二輪自動車
  • 原動機付自転車

さらに型式ごとに事故リスクが大きく異なるため「型式別料率クラス」が設定されており、自動車ごとのリスクを細分化した上で保険料率を決定しています。

3.車の利用目的

運転する頻度が少ないほど事故のリスクも軽減するとされ、保険料率も下がる傾向にあります。

主に、以下の3つの利用目的に応じて保険料が変動します。

  • 日常・レジャー使用
  • 通勤・通学使用
  • 業務使用

日常・レジャー使用よりも業務使用の方が車の利用頻度も高いとされ、保険料も割高に。ただしこれに加え、前年の走行距離を参考に保険料率を算出する保険会社も多いため、たとえ日常使用であっても走行距離によっては保険料が上がることもあるでしょう。

4.運転者の年齢

最も保険料率が左右されるのは「運転者の年齢」です。年齢が低いほど事故率が高くなるとの統計が出ているため、特に免許を取り立ての20歳前後の人は、等級の低さも相まって保険料がかなり割高となるでしょう。

年齢条件の区分は保険会社によって若干異なることもありますが、基本的には、

  • 年齢問わず補償
  • 21歳以上
  • 26歳以上
  • 35歳以上

の4つに区分されています。この中では「年齢問わず補償」の区分が、最も保険料が高く設定されます。

条件によって変わる保険料

上記に挙げた要素以外にも、保険料を左右するポイントが大きく3つ挙げられます。

以下、具体的に確認していきましょう。

ポイント1.車両保険の有無

車両保険は、自動車保険の基本の補償に加えて付帯する、いわば特約のようなものです。

任意保険に加入していれば自分側のケガや相手側に対する補償は受けられますが、自分の車両に対する損害は、車両保険を付帯していなければ補償が受けられません。

一般的に車両保険を付帯するとその分保険料が跳ね上がるため、車両保険を契約するときは慎重に判断する必要があります。

https://sonpo.jitensha-hoken.jp/vehicle-insurance/

ポイント2.運転者の範囲

車を運転する人をあらかじめ限定すれば、その分リスクが軽減されるとみなされるため、保険料も割安になります。指定できる運転者の範囲は以下の通りです。

  • 本人限定
  • 本人・配偶者限定
  • 限定なし

車を運転する人が少ないほど保険料が安くなるため、例えば「以前は妻も一緒に運転していたけど今は自分しか運転しなくなった」といったケースでは、運転者の範囲を本人限定にすることで保険料を抑えることができます。

ポイント3.保険金額の設定

保険を利用する際に受けられる補償の限度額をいくらに設定するかによっても保険料が左右されます。保険金額を低く設定すればその分保険料も安くなりますが、必要な補償を下げすぎないように注意しましょう。

このように自動車の任意保険料は公平に保険料の算出を行うため、年齢や事故歴などの条件を元に大きく変動するのが特徴です。

そのため先述した自動車保険料の平均値は、あまり参考にならないことが言えるでしょう。

 

自動車保険料の相場を知りたい人は、保険料を左右されやすい条件のひとつとなる「年代別」に、保険料のシミュレーションを行ってみるのがおすすめです。

【年代別】自動車保険料の相場

それではさっそく、年代別に自動車保険料の相場をチェックしていきましょう。

今回は下記の条件を想定して、20代~50代までの保険料シミュレーションを行いました。「車種別」、「代理店型」と「ダイレクト型」、「車両保険の有無」についても比較しながら、保険料の違いを参考にしてみてください。

【シミュレーションの共通条件】

  • 免許取得年齢:22歳
  • 事故歴:なし(6年後の28歳にはゴールド免許を想定)
  • 使用目的:日常・レジャー
  • 走行距離:3,000~5,000km
  • 運転者の範囲:本人限定

20代の保険料相場

【条件】

  • 契約年齢:25歳
  • 免許証の色:グリーン
  • 等級:9等級
トヨタ ヤリス

(5ナンバー車)

トヨタ ヴォクシー

(3ナンバー車)

ホンダ N-BOX

(軽自動車)

代理店型/車両保険あり 101,160円/年 120,000円/年 98,250円/年
代理店型/車両保険なし 49,440円/年 51,720円/年 54,000円/年
ダイレクト型/車両保険あり 63,870円/年 63,750円/年 59,200円/年
ダイレクト型/車両保険なし 43,940円/年 35,610円/年 39,790円/年

免許を取得してから3年後、まだグリーン免許の25歳の場合。代理店型の保険料を見てみると、軽自動車ですら車両保険をつけるとおよそ10万円の保険料がかかることが分かります。

保険料が高くなりがちな20代は、「月払いを利用する」「車両保険を外す」「ダイレクト型保険を検討する」などの工夫によって、無理なく保険料の支払いを行っていくことがポイントです。

30代の保険料相場

【条件】

  • 契約年齢:30歳
  • 免許証の色:ブルー
  • 等級:14等級
トヨタ ヤリス

(5ナンバー)

トヨタ ヴォクシー

(3ナンバー)

ホンダ N-BOX

(軽自動車)

代理店型/車両保険あり 71,040円/年 74,640円/年 61,920円/年
代理店型/車両保険なし 41,520円/年 36,120円/年 35,400円/年
ダイレクト型/車両保険あり 32,190円/年 32,220円/年 30,340円/年
ダイレクト型/車両保険なし 21,460円/年 17,780円/年 19,860円/年

免許取得から7年経過し、ブルー免許になった30歳。等級や年齢条件も上がり、20代に比べて保険料が安くなっていることが分かります。

とはいえ30代に突入すると結婚して家族が増え、補償を手厚く設定する必要があったり、車が大きくなったりと、20代の頃に比べてさほど保険料が変わらないと感じる人もいるかもしれません。

 

20代と同じく「ダイレクト型の保険を選ぶ」「月払いを利用する」などで、保険料支払いの負担を軽減していくと良いでしょう。

40代の保険料相場

【条件】

  • 契約年齢:40歳
  • 免許証の色:ゴールド
  • 等級:20等級
トヨタ ヤリス

(5ナンバー)

トヨタ ヴォクシー

(3ナンバー)

ホンダ N-BOX

(軽自動車)

代理店型/車両保険あり 45,000円/年 47,160円/年 39,720円/年
代理店型/車両保険なし 28,200円/年 25,080円/年 25,080円/年
ダイレクト型/車両保険あり 18,690円/年 18,850円/年 17,840円/年
ダイレクト型/車両保険なし 11,960円/年 9,900円/年 11,180円/年

運転歴も18年とベテランの域に達する40歳。年代別では40代が最も事故率が低くなるといったデータもあることから、保険料も割安になる傾向にあります。

ゴールド免許の割引率は保険会社によって異なりますが、一般的に12~15%程度の割引が適用されるのもポイント。事故や違反をせず、安全運転を心がけたいものですね。

50代の保険料相場

【条件】

  • 契約年齢:50歳
  • 免許証の色:ゴールド
  • 等級:20等級
トヨタ ヤリス

(5ナンバー)

トヨタ ヴォクシー

(3ナンバー)

ホンダ N-BOX

(軽自動車)

代理店型/車両保険あり 46,320円/年 48,360円/年 39,600円/年
代理店型/車両保険なし 29,160円/年 25,800円/年 24,960円/年
ダイレクト型/車両保険あり 18,150円/年 18,410円/年 17,390円/年
ダイレクト型/車両保険なし 11,380円/年 9,430円/年 10,650円/年

50歳に突入すると、ほんの少し事故率が上がりつつあるため、40歳に比べて若干ですが保険料が高くなる傾向にあります。

中には独自の料率を取り入れていることによって、50歳でも保険料の負担を抑えられる保険会社も存在するので、複数の保険会社から見積もりをとるのがおすすめです。

 

シミュレーション参考サイト:三井住友海上「自動車保険料試算サービス」(代理店型)

三井ダイレクト損保「自動車保険簡単見積もり」(ダイレクト型)

 

自動車保険料を抑えるポイント4選

車の維持費を抑えるためにも、なるべく自動車保険料は抑えたいところですよね。ここでは自動車保険料の抑え方について、4つのポイントを紹介いたします。

ポイント1.ダイレクト型保険を選ぶ

自動車保険には「代理店型」と「ダイレクト型」がありますが、上記のシミュレーションからも分かる通り「ダイレクト型」の保険の方が、保険料が安く設定される傾向にあります。

代理店型の自動車保険料には「付加保険料」に、仲介手数料などの諸費用があらかじめ含まれた上で、保険料の算出が行われているからです。

 

「ダイレクト型はサポートが不安」という人もいるかもしれませんが、最近では代理店型とさほど変わりがないほど充実したサポート体制を整えている保険会社も多数存在しています。少しでも保険料を抑えたい人は、ダイレクト型の自動車保険から選択すると良いでしょう。

ポイント2.補償範囲を限定する

運転者の範囲や車両保険の補償範囲など、受けられる補償の範囲をできる限り狭めるとその分保険料を抑えられます。

また、「人身傷害」や「搭乗者傷害」などの重複しやすい補償に関してもよく内容をチェックしておきましょう。

補償が重複していたり、補償内容が過剰すぎたりしても、保険会社の方から注意されることはありません。自分自身が契約する保険の内容をしっかりと把握しておくことが大切です。

ポイント3.複数の保険会社から見積もりをとる

保険料参考純率の算出は、損害保険料率算出機構によって執り行われていますが、最終的な保険料率を決定するのは各保険会社になります。

 

保険会社ごとに利益率や経費などは毎年異なるため、それに伴い保険料率も毎年変動しています。また、年齢や走行距離などの条件によって、保険会社独自のリスク区分が設定されていることも。そのため多少面倒であっても、更新のたびに複数の保険会社から見積もりをとることで、保険料を抑えられる可能性が高まります。

ポイント4.〇〇割を駆使する

インターネットからの申込みで保険料が割引きされる「ネット割」や、満期よりも数ヶ月早めの申込みで受けられる「早期割」など、さまざまな割引制度が各保険会社から提供されています。

利用できる割引制度を駆使すれば、よりお得な保険料で契約することが可能です。

まとめ

今回は、自動車保険料の仕組みや年代別にみる保険料の相場金額について解説しました。

 

全体的に見る保険料の平均値はおよそ58,000円ですが、年齢や事故歴など、1人ひとりの条件ごとに応じて、保険料は大きく変動しています。

 

年齢や事故歴といった条件を変更することはできませんが、運転者の範囲や保険金額を正しく設定するなど、あらゆる条件を調整して保険料を抑えることは可能です。

 

その他にも、「ダイレクト型保険を選ぶ」「補償範囲を限定する」「複数の保険会社から見積もりをとる」「〇〇割を駆使する」といったポイントを押さえると、お得に契約できるかもしれません。

 

等級が上がると割引率も大きくなるので、日頃から安全運転を心がけ着実に等級を上げていき、保険料の割引率アップを目指していきましょう。

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この記事を書いた人

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波風みほ

主に税金や保険などの記事を書く、マネー系のライター。 これまでに保険系メディアで保険関連の記事を50本ほどの執筆経験があります。 実際に自転車・自動車保険を含めた保険全般を見直し、年間10万近くの保険料を抑えました。

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