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選び方・ポイント

保険料が高い年齢は?自動車保険における運転者の年齢条件

自動車保険では、運転歴や事故歴、車の使用目的など、あらゆる条件のもと「保険料率」が設定されています。

運転者の年齢も保険料を左右する条件の一つ。

特に10~20代の若い世代の保険料は高く設定される傾向にあります。

そもそもなぜ、年齢によって保険料に違いが生じるのでしょうか?

今回は、運転者の年齢条件における自動車保険の保険料の仕組みについて解説します。

年齢別のシミュレーションもしていますので、年齢ごとの保険料差を比較する際の参考にしてください。

運転者の年齢条件とは?

自動車保険では運転者の年齢によって保険料に差をつけています。年齢に応じて事故リスクが変わるためです。

自動車保険では、“年齢によって補償の内容が変わる”といったことはありません。(※)

しかし例え同じ条件であっても保険料は異なり、年齢が低いほど保険料は高く、年齢が高くなるにつれ保険料は安くなる仕組みになっています。

(※)保険会社によっては事故リスクが高い条件下の場合、車両保険の付帯を断られるケースがあります。

自動車保険における運転者の年齢条件

損害保険料率機構(以下、損保料率機構)が定める年齢条件は、

  • 全年齢補償
  • 21歳以上補償
  • 26歳以上補償

の3区分に分かれています。

上記が基本となる年齢条件の範囲です。

その他、保険会社によっては「30歳以上補償」や「35歳以上補償」といった年齢条件が設けられているケースもあります。いずれも年齢が高い条件ほど、保険料が安くなる仕組みです。

さらに被保険者の年齢層に応じて6区分に分けられており、上記の年齢条件を超えたあとも、年齢による保険料の違いが生じています。

運転者の年齢層に応じた保険料率区分
参考:損害保険料率機構「2021年度自動車保険の概況」運転者の年齢~年齢条件~より

運転者の年齢が保険料に影響する理由

そもそもなぜ、運転者の年齢が保険料に影響してくるのでしょうか?

それは自動車保険が「事故率」をもとに保険料率の算出を行っているからです。

保険料のもととなる「参考純率」の算出は損保料率機構が行っており、さまざまな事故データから分析の上、公平な保険料率の設定をしています。

実際に公開されている年齢別事故率を確認してみましょう。

原付運転者10万人の年齢別の交通事故件数
参考:警察庁「令和3年中の交通事故の発生状況」の資料をもとに筆者が表を作成

実際にはより詳細なデータを元に参考純率の算出が行われているかと思いますが、上記のデータを見るだけでも、若い世代の事故率が高いことは明確といえるでしょう。

近年若い世代の“車離れ”が叫ばれており、ミドル世代に比べて自動車保有率が低いにもかかわらず若い世代の事故率が高い点も気になります。

事故リスクが高い世代の保険料は高く、事故リスクの低い世代の保険料は安く。

合理的な保険料になるように考慮されているため、運転者の年齢も保険料率算出の際の一つの指標になるのです。

【保険料シミュレーション】保険料が高くなる年齢層は?

実際に簡易見積もりを用いて、保険料が高くなる年齢層をシミュレーションしてみましょう。

ソニー損保のネット見積もりを利用し、以下の条件で年齢のみを変えて見積もりをしました。

【等級】6等級
【車】ヤリス MXPA10
【使用目的】日常・レジャー
【年間走行距離】3,000km以下
【免許証の色】ブルー(※18歳のみグリーンで算出)
【補償の範囲】本人限定
【その他】新規加入、車両保険なし、ネット割引等適用後の保険料

年齢(年齢条件)年間保険料
18歳(年齢問わず補償)118,370円/年
25歳(21歳以上補償)52,130円/年
29歳(26歳以上補償)33,040円/年
31歳(30歳以上補償)27,020円/年
40歳(30歳以上補償)26,690円/年
50歳(30歳以上補償)26,830円/年
60歳(30歳以上補償)27,470円/年
ソニー損保のネット見積もりを利用し、筆者算出

「年齢問わず補償」の条件が適用となる18歳~20歳の年間保険料は「118,370円」という結果が出ました。

車両保険なしで10万円超えとは、かなり割高な保険料です。

また、この中で最も保険料が安い40歳と、保険料が高い18歳を比べると、その差額は「91,680円」。およそ10万円近く保険料に差が出ていることが分かります。

25歳になると5万円代にまで下がるものの、30歳以降の保険料と比べるとまだまだ割高といえるでしょう。

やはり自動車保険料が最も高くなる年齢層は「10~20代」であるのが現状です。

若い世代が自動車保険料を抑えるには?

10~20代の自動車保険料は高くなってしまうことが分かりましたが、少しでも抑えられるなら安く済ませたいですよね。

ここでは若い世代が自動車保険の保険料を抑えるためのポイントを3つ解説します。

運転者の範囲を限定する

運転者の範囲を限定することで保険料を抑える「運転者限定特約」

年齢条件と合わせて、保険料を抑えることが可能です。

上記のシミュレーションにて、18歳の保険料は「118,370円/年」でしたが、運転者の範囲を「限定なし」にしてみると「126,890 円/年」に引き上がってしまいました。

運転者の範囲を指定せず、“誰が運転しても補償が受けられる”という契約にしてしまうと、年間8,520円も保険料が高くなってしまうのです。

もちろん自分の他に、両親や友人などの“他人”が運転する可能性が少しでもある場合には、状況に合わせて範囲を指定する必要があります。

しかし特に自分以外が運転する予定がないのであれば、運転者の範囲を限定して保険料を抑えるといいでしょう。

親の等級を引き継ぐ

若い世代の保険料が高く付きやすい原因は、年齢以外に「等級」にもあります。

自動車保険の等級は家族間であれば引き継ぎができるため、「親の等級を引き継ぐ」といった対策も可能です。「子どもは親の等級を引き継ぎ、親には新規加入をしてもらう」というひと手間を加えるだけで、保険料をグンと削減することができます。

ただし、等級の引き継ぎができるのは、

  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者の同居親族
  • 記名被保険者の配偶者の同居親族

(※親族=6親等内の血族または3親等内の姻族)

のみとなります。

すでに両親と別居中の場合、等級の引き継ぎができなくなるため注意しましょう。

ちなみに上記シミュレーションでは、18歳・6等級の場合「118,370円/年」でしたが、これを20等級に変えるだけで「34,930 円/年」という結果になりました。

これだけで、約8万円の節約になる計算です。

料率クラスの低い車に乗る

年齢以外にも、さまざまな条件が保険料を左右する自動車保険ですが、乗っている車の型式によっても保険料が異なることをご存じでしょうか?

上記シミュレーションでは「ヤリス」で見積もりをしていますが、例えば料率クラスが高めの「ランドクルーザー」で見積もってみると、18歳の保険料は「125,780円/年」とさらに割高な結果となりました。

料率クラスは「対人賠償」「対物賠償」「人身傷害」「車両保険」の4つの補償それぞれに定められているため、車両保険を付けない場合であっても保険料に影響します。

年間の差額にして約5,000~1万円程度の違いかとは思いますが、少しでも保険料を抑えるなら「料率クラス」を意識して車を購入するのも一つの手でしょう。

年齢条件における注意点

ここでは自動車保険の年齢条件について、よく見られる勘違いを2点解説します。

年齢条件の設定を誤ると、無駄な保険料の支払いや、万が一の際に補償が使えないといった事態に陥るケースがあるので注意しましょう。

“別居の未婚の子”は適用範囲外

自動車保険では補償によっては「別居の親族まで」が補償の対象となるケースもあります。

しかし、年齢条件において適用となるのは、運転者(被保険者)と同居家族のみです。

つまり“別居の未婚の子”は年齢条件の適用外なので、条件を子の年齢に合わせる必要はありません。

よくある勘違いは「息子が帰省したときに実家の車に乗るので、年齢条件は息子に合わせて契約しておこう」といったケース。

運転者の範囲は「限定なし」にしておく必要がありますが、年齢条件については同居中の家族に合わせればOKです。

保険会社から変更の通知はなし

20代・30代は、保険会社が定める年齢条件に応じて誕生日が来れば年齢条件の変更ができて、新保険料の適用が可能になります。

しかし“年齢条件が変更できる”というのは、基本的に保険会社の方から教えてもらえるわけではありません。

また、誕生日が来たら自動で契約内容を変更してもらえるといったこともありません。

契約中の保険会社の年齢条件を必ず確認しておき、条件が適用となる誕生日を迎えたら忘れずに契約内容を変更しましょう。

こんなときどうする?年齢条件の見直し

年齢条件見直しの見直しについて、よくあるケースをピックアップしました。

最後に年齢条件の仕組みをおさらいしていきましょう。

Case1.実家を出て一人暮らしをする大学生の息子(20歳)

自動車保険 年齢条件を見直すタイミング

父(60歳)、母(56歳)、息子(20歳)の3人暮らし。

同居中の息子が免許を取ってからは「年齢問わず補償」の契約に変更していたというケース。

息子が実家を出て一人暮らしするのであれば、年齢条件の適用外になるため、年齢条件の変更が必要になります。

今回のケースでは「年齢問わず補償」から「26歳以上補償」に変更可能です。

保険会社によっては「30歳以上補償」や「35歳以上補償」の条件もあるので、契約中の保険会社の条件を確認した上で変更手続きを行いましょう。

また、親子間で等級の引き継ぎを検討している場合は、子が家を出る前に手続きする必要があることも注意しておきたいポイントです。

Case2.保険期間の更新後に誕生日を迎えて26歳になる妻

自動車保険 年齢条件を見直すタイミング

夫(30歳)、妻(25歳)。

主に夫が運転するが、週1~2回程度、妻も運転するといったケース。

「たまに運転する」という場合でも、運転する機会が少しでもあるようなら、それぞれが補償を受けられるような契約でなければいけません。年齢条件についても同様なので、今回のケースでは妻が26歳の誕生日を迎えるまでは「21歳以上補償」の条件に設定する必要があります。

また、“保険期間の更新直後に誕生日を迎える”といったケースも考えられるでしょう。

この場合、更新のタイミングで年齢条件を変更したくなるかもしれませんが、誕生日を迎える前に年齢条件を変更することはできません。

年齢条件に誤りがある場合、万が一の際に補償が受けられなくなるため注意が必要です。

少々面倒ではありますが、必ず誕生日を迎えたあとに年齢条件の変更手続きを行いましょう。

まとめ:年齢条件を正しく設定して保険料を抑えよう

自動車保険では、年齢に応じて保険料に差が発生します。

特に事故率の高い10~20代の若い世代は、保険料が高い時期にあたります。

  • 運転者の範囲を限定する
  • 親の等級を引き継ぐ
  • 料率クラスの低い車を選ぶ

などを意識して、保険料を抑えるといいでしょう。

ただし条件を偽って契約するのはご法度です。

補償内容を正しく理解して、自分に合った補償を備えましょう。

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この記事を書いた人

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夏川さほ(2級FP技能士)

4児の母。国内大手の生命保険会社に2年の勤務経験があり、個人や企業向けに生命保険と損害保険を販売しておりました。保険商品は内容を正しく理解するのが難しいので、わかりやすい解説を心がけています。公的保障を考慮した“本当に必要な保険”を提供したいと考え、2022年6月、FP2級を取得しました。

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