自転車事故を起こした際に、真っ先に心配すべきは相手と自分の身体。ですが、「自慢の愛車が…」と自転車の破損や傷を心配するサイクリストの方も多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、各保険会社から盗難や破損した自転車に補償が適用される「車両保険」が続々と登場しています。そこで今回は、2018年1月に始まったau損保の車両保険「すぽくる」の内容について解説します。
車両保険「すぽくる」の概要
au損保の「すぽくる」はスポーツバイクの盗難と破損を補償する自転車保険です。補償が適用されるパターンは、大きく分けて「盗難補償」「全損補償」「半損補償」の3つがあります。
<盗難補償>
スポーツバイクが盗難被害に遭ったり、盗難による損害が原因でスポーツバイクが全損になった場合に保険金が支払われます。この場合、盗難の被害届が所轄警察署が条件になります。パーツやアクセサリーだけが盗難被害にあっても補償対象には含まれませんので、注意が必要です。
支払われる金額は、購入金額の100%です。
<全損補償>
スポーツバイクが全損となった場合に、保険金が支払われます。全損とは、自転車の損害を修理することが不可能な場合、または修理費が保険金額の80%を超える場合をいいます。また、交通事故証明書が発行されたことが補償される条件になります。
支払われる金額は、購入金額の100%です。
<半損補償>
スポーツバイクが半損となった場合に、保険金が支払われます。自転車の修理費が保険金額の50%を超え、80%以内の場合をいいます。全損と同じく、交通事故証明書が発行されたことが補償される条件になります。
支払われる金額は、購入金額の50%です。
au損保では自転車事故により相手をケガさせてしまった際の賠償や、自身が死亡やケガによる通院・入院時にかかる費用を補償する「自転車向け保険 Bycle」をすでに販売していましたが、今回の「すぽくる」はそれらの自転車保険との併用が可能になります。
加入条件や保険料などの詳細について
次に、保険内容の詳細を見ていきましょう。
まず加入できる自転車と補償の範囲について。加入できる自転車はメーカーを問わず、購入金額10万円以上(税込)のスポーツバイクです。ロードバイクはもちろん、クロスバイクやマウンテンバイク、中古自転車も加入することが可能です。購入時に取り付けたパーツやアクセサリー等の費用も補償の範囲に含めることができます。
加入時期のに期限は特に決まりはなく、いつでも加入することができますが、加入の際には、自転車防犯登録カードと、自転車の購入金額を証明する売買契約書やレシート、見積書等が必要になります。自転車を購入した際の書類などはきちんと保管しておくと安心です。
そして、保険料は自転車の購入金額によって決まります。
<保険料の一例>
■例1
自転車購入金額:10万円
保険料:3,300円/年
■例2
自転車購入金額:15万円
保険料:4,950円/年
■例3
自転車購入金額:50万円
保険料:16,500円/年
保険料が支払われない場合
被保険者の故意または重大な過失によって自転車が破損した際には、保険料が支払われない場合があります。また、ロングライドなど公道を使って行われるイベントやレースでの事故であれば補償対象になりますが、サーキットレースなどでは補償されないので注意が必要です。
まとめ
すぽくるは、加入時期の期限がないことや加入条件の自転車購入金額が10万円と低額に設定されていることから、加入しやすい車両保険だと言えます。もし他社の車両保険と比較する際には、加入条件・保険料・補償範囲を比較し、自分の自転車に合った保険を選びましょう。