運転免許を持たない学生にとって便利な移動手段である自転車。
小学生から中学生、高校生へと進学するごとに利用件数や頻度が増える傾向にあります。
しかし、同時に事故頻度も高くなり、中には相手が死亡に至るほどの重大なものも。
今回は、高校生の自転車事故の危険性と、万が一の時を考えて加入をおすすめしたい自転車保険についてご説明します。
もっとも事故率が高い「高校生」
出典:交通事故分析センター「その自転車の乗り方では事故になります」
自転車事故の発生割合を年代別に見てみましょう。この表の「事故頻度」は「自転車運転者人数÷人口」で割り出されたものです。事故件数ではシニア層が最多となる一方、中学生・高校生の事故の割合が他の年代に比べ多いことがわかります。
特に朝の7-8時代は事故発生率が高く、通勤通学時の交通量が多い時間帯に発生しているものと考えられます。
交通マナー遵守が必要
中高生の自転車事故のうち約7割がスピードの出しすぎや傘さし運転、スマートフォンを見ながらの運転など、法令違反を原因とした事故であることが明らかになっています。
公道での車両運転の経験が極めて浅く、交通安全への意識が低いことが原因の一つとされており、基本的な交通ルールについての知識が乏しかったり、事故を起こしてしまった場合どのような事態になり得るのか想像する力が欠如しているとも言えます。
問題意識をもつ自治体なども多く存在し、全国各地で高校生の自転車事故の対策に向けて施策を重ねています。例えば、警視庁では「自転車安全利用モデル高校制度」というものを実施。これは、ヘルメット着用や賠償保険加入の義務付け等を行なっている、交通安全への意識付けに力を入れている高校を「モデル高校」と認定するものです。
しかし、そういった取り組みが行われる反面、決定的な解決策はでてきていないのが現状。交通マナーに関する教育や個々人の意識改革が必要と言えそうです。
自転車保険に加入するのがおすすめ
自転車乗車中は、自身が事故に巻き込まれるだけでなく、第三者に怪我を負わせてしまうリスクも非常に高いです。特に学生の場合は、無謀な運転によって人を巻き込む場合が多く、相手が死亡や寝たきりになってしまう深刻な事故も起きています。
事故を起こした場合、中学生・高校生でも十分な責任能力があると見なされ、事故を起こせば当然損害賠償の対象となります。過去には、賠償請求額が1億円ほどになる例もあり、本人に支払い能力のない場合、監督義務者、つまり親族が代わりに支払うことになります。
事故を起こさないことが一番ですが、万が一を考えておすすめしたいのが自転車保険です。
選ぶ基準を大きく3つご紹介します。
(1)個人賠償補償の金額
相手に怪我をさせてしまった場合に適用されます。前述の通り、事故の内容によっては数千万単位での請求も珍しくないため、補償金額1億円以上のものに加入しておくのが良いでしょう。
(2)傷害補償の金額
自分が怪我をしてしまった場合に適用されます。大きな事故でなくても、通院回数によっては医療費がかさむこともあります。
(3)対象者
保険の補償対象が誰なのか確認しておきましょう。家族の中にすでに自転車に乗っている人が場合は、お子さんの加入に合わせて家族型に変更する方がお得な場合があります。
上記に加え、自転車ロードサービスや示談代行サービスなどが付いている場合も。いくつか候補を絞った後に付帯サービスも比較検討するのがおすすめです。
また、すでに加入している保険の内容と被る項目がないか確認することも必要です。
まとめ
自転車に小学生から乗り始めるとすると、高校生になる頃にはだいぶ乗り慣れているはず。しかし、その慣れが原因で無意識のうちに無謀な運転をしてしまうケースが増えています。交通事故を起こさないことがもちろん一番望ましいことですが、事故が起きてしまってからでは手遅れ。交通ルールの確認と一緒に自転車保険への加入をおすすめします。