静岡県では2019年3月8日の県議会で自転車保険の加入を義務付ける条例が成立しました。施行日は2019年10月1日です。
義務化の対象は自転車を利用する本人で、本人が未成年者の場合は保護者に加入の義務があります。また業務で従業員に自転車を利用させる事業者と、自転車貸付業者も対象となっています。
義務化の理由
静岡県は2020年東京五輪・パラリンピックの自転車競技が開催されることもあり「自転車の聖地」づくりを目指しています。その中では自転車の安全で適正な利用が欠かせませんが、2018年静岡県内で起きた自転車事故で3902人がケガをしています。静岡県、県警、市町などでつくる県交通安全対策会議では、自転車に関する事故を防止する対策を強化することが決まりました。
そこで自転車利用者や自転車を利用させる事業者などに損害賠償保険加入を義務付ける条例の周知を図っています。静岡県は自転車事故をゼロに近づけることを目標に様々な取り組みを行っており、今回の自転車保険加入の義務化はそのひとつと考えられます。
今回、静岡県は「自転車の利用に係る事故で相手にケガをさせた場合に損害を填補することのできる保険」に加入することを義務化としました。
これは、過去に自転車事故で相手にケガをさせたことで、高額な賠償を請求された例があることが理由です。自転車保険に加入することで、自身が加害者となった場合に相手にケガをさせてしまったときの損害賠償の備えをすることができ、経済的な負担の軽減につながるからです。
未成年者も義務化
また、自転車に乗る方が未成年の場合は、保護者に保険加入の義務が課されています。2018年に静岡県内で起きた自転車事故の約4分の1が高校生の事故です。春は通学経路が変わるなど事故が増えやすい季節です。保険加入が義務化されたこの機会に、家族で安全な自転車の乗り方について話し合ってみてはいかがでしょうか?
保険の内容を確認しておこう
自転車保険条例の制定が全国各地の自治体に広がっていますが、国も今年1月に国土交通省内に自転車事故による損害賠償のあり方を協議する有識者検討会を発足させています。
今回の条例制定では罰則規定はありませんが、自転車保険には安価で気軽に入れるものなど種類も豊富にあります。静岡県に在住の方、また静岡県で自転車を利用する方は個人賠償補償のついた保険へ早期に加入しましょう。
加入時の注意点として、一般的な傷害保険や自動車保険の特約などで自転車専用の保険に加入していなくてもカバーできる場合があります。自分や家族が保険に加入しているかわからないという人も多いので一度しっかりと確認してみるといいでしょう。