株式会社 愛媛新聞社(本社:愛媛県松山市大手町1丁目12-1、代表取締役社長:土居英雄)は、愛媛県警察本部交通部交通企画課の協力を受け、愛媛県内で発生した交通事故データを基に、グラフ化による発生傾向の分析、Google Earthを活用した事故現場の3D表示、主要な事故要因のアニメーション化を行い、交通事故の減少を目指す取り組み「シリーズ 愛媛の交通事故徹底分析~データ解析・ビジュアル化~」をスタートした。第1弾は「高校生の登下校中の自転車事故」をテーマとし、「愛媛新聞ONLINE」に特設ページを2022年3月1日(火)、開設した。
「愛媛の交通事故 徹底分析~データ解析・ビジュアル化~」の3つの特徴
1.網羅的で正確なデータを基に分析
2017年~2021年の5年間に愛媛県で発生した全交通事故(人身事故)の中から、テーマに沿ったデータを愛媛県警交通部交通企画課から提供を受け、分析、ビジュアル化した。発生場所の位置情報(緯度・経度)、事故発生の時間帯、天候、発生地点の分類など、網羅的で正確な情報を基にしている。
2.グラフやGoogle Earthを活用し、ビジュアル化
交通事故が発生した月、時間帯、天候、信号の有無、市町などのデータをグラフ化することで、いつ、どのような場所で、どのような事故が起きているのかが一目で分かるようにした。また、位置情報から事故現場をGoogle Earthにマッピングし、3Dで、360°からどのような場所なのかを確認できる映像を制作している。また、発生数が多い事故形態をさまざまな角度から見ることができるアニメーションを制作。ビジュアル化することで、交通事故をより、具体的にイメージできるようにしている。
3.ユーザーの当事者意識を高めるため、具体的テーマを設定
第一弾は、事故当時者に「高校生」、乗り物に「自転車」、シチュエーションを「登下校中」に絞り、データをセレクトしている。テーマを絞り込むことによって、当事者となる高校生に注意喚起を促す狙いがある。今後も、具体的なテーマを設定しながら、交通事故をさまざまな角度から分析していく。
第1弾 「登下校中の高校生の自転車事故」
テーマ設定の背景
愛媛県では、登下校に自転車を利用する高校生は多く、通学の主要手段となっている。県立高校の全生徒へのヘルメット無償配布や、「県自転車安全利用促進条例」(2013年)の施行などで、高校生のヘルメット着用率は高まっているが、愛媛県内で2021年にトラックと衝突した自転車の高校生が死亡する事故が発生するなど、登下校時の自転車事故はこの5年間、毎年48~78件発生している。
いつ、どのような場所で、どういう事故が起きているのかを高校生だけでなく、ドライバーにも知ってもらうことで、事故を少しでも低減させることができないかと、今回のテーマを設定した。
概要
2017年から2021年までの5年間に愛媛県内で発生した高校生の自転車事故446件のうち、約7割に当たる登下校中に起きた312件のデータを基に、分析した。
1.データ分析、グラフ化
- 月別では、6月の事故件数が15.3%を占め最多。次いで7月12.5%、5月10.3%。
- 時間帯別では、午前7時から午前8時台の登校時間帯の発生が多い(全体の52.6%)
- 12月~2月は他のシーズンに比べ午後5時から午後6時台(薄暮時間帯)の発生割合が3~4割と高い
- 地域別の発生件数は中予64.4%、東予31.4%、南予4.2%。特に松山市は全体の54.5%と突出
- 市町別の分析では、四国中央市、西条市、伊予市、大洲市、内子町、八幡浜市、宇和島市は全て車との事故。今治市、松山市、砥部町では、歩行者や自転車との事故が発生している。
- 高校生の登下校中の自転車事故の76.9%が交差点で発生!そのうち82.1%は信号機のない交差点
などの特徴があり、それらをより、わかりやすくするためグラフ化した。
2.三大事故要因
出会い頭の事故、車両の右左折時の巻き込み事故、自転車の急な路線変更による事故が車両と自転車の三大事故要因と言われている。
この3形態の事故が実際に発生した場所を、Google Earthを使い、3Dの空撮映像スタイルで360°の視点で確認できるようにした。さらに、3Dアニメーションを制作し、ドライバー目線、自転車側からの視点などで事故がどのように起きるかを表現している。
また、実際に事故が発生した現場を、Google MapのStreet Viewで表示し、どのような場所で事故が発生したかを360°画像で確認できるようにした。
3.Google Earthで見る事故現場
高校生の登下校中の自転車事故が発生した地点の中から、事故が頻発している6エリアに絞り、Google Earthでビジュアル化した。Google Earthでプレゼンテーションを開始し、目次をクリックしていくと、各事故地点の様子を見ることができる。また、右側に出てくるウインドウで事故データを表示しており、動画を再生すると、上空からの映像を確認することができる。
今後の展開と本サイトの使い方・利用シーン
交通事故データを基に、テーマを決めて、グラフ化、ビジュアル化を進めていく。本サイトは、自由に閲覧することができる。また、学校や教育現場、安全教室などで活用することも可能だ。
愛媛新聞社について
【会社概要】
- 会社名:株式会社 愛媛新聞社
- 所在地:愛媛県松山市大手町1丁目12-1
- 代表者:代表取締役社長 土居英雄
- 創刊:1876(明治9)年9月11日
- 愛媛新聞ONLINE URL:https://www.ehime-np.co.jp/
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