あなたは自転車の空気入れを、適切な頻度で行っていますか?空気圧が下がったまま走行を続けていると、パンクの原因につながります。
もし仕事前に子供を保育園に送る時、電動アシスト自転車のタイヤがパンクしていれば、大きな時間のロスになってしまうでしょう。
パンクを予防するためにも、適切に空気を入れておく必要があります。
空気入れを持っていれば、好きなタイミングで空気を入れられるので自宅に一台置いておくと良いでしょう。
しかし空気入れと言ってもラインナップが豊富にあり、物によっては所有している自転車には対応していないケースもあります。
そこで今回は、普段の通勤や子供の送り迎えに電動アシスト自転車を使っている女性に向けて、電動アシスト自転車の空気入れの選び方について解説します。空気入れの種類別の相場やおすすめ商品も紹介するので、空気入れ選びに悩まれている方はぜひ参考にしてください。
自転車の空気を入れる頻度はどのくらい?
自転車の空気を入れる頻度は車種によっても異なりますが、平均すると2週間に1度が目安になります。
以下、車種ごとに表にまとめました。
車種 | バルブの種類 | 空気入れの頻度(目安) |
・シティサイクル(ママチャリ)・電動アシスト付き自転車・子供用自転車 | 英式バルブ | 2週間~1ヶ月 |
・ロードバイク・クロスバイク | 仏式バルブ | 1~2週間 |
・マウンテンバイク | 米式バルブ | 1~2週間 |
日常的に乗ることも多いシティサイクルや電動アシスト自転車は、2週間に1回、最低でも1ヶ月に1回は空気圧の点検をする必要があります。
スポーツ系自転車は定期的なメンテナンスが欠かせないイメージがあり、1~2週間の頻度で空気を入れるのも頷けるかもしれませんが「電動アシスト自転車はそんなに頻繁に空気なんて見れない!」という方もいるのではないでしょうか。
しかし、空気を入れずに走行を続けた自転車はタイヤ(正確にはタイヤ内部のチューブ)に大きな負担がかかるため、パンクにつながる恐れが非常に高くなります。
パンクすれば修理代がかかりますし、仮に子供の乗車中にパンクしてしまえば、重たい電動アシスト自転車を引きながら、子供と一緒に移動しなければなりません。
空気入れを甘く見すぎず、定期的に行うのが最適だといえるでしょう。
自転車の空気入れを買う前に確認すべきこと
「自転車の空気入れってどれも同じだよね?」と思った方は要注意!
自転車の空気を入れる「バルブ」には3つの種類があり、それぞれ少しずつ形状や空気の入れ方が異なります。
そのため、空気入れを購入する前には手持ちの自転車のバルブの種類に合うかどうか、必ず確認しましょう。
ここでは、3種類のバルブの特徴について解説します。
英式バルブ(イングリッシュバルブ)
一般的な自転車によく使用されているのが、英式バルブです。車種でいうとシティサイクルや子供乗せ対応の電動アシスト自転車、子供用自転車などが英式に当てはまります。
構造上空気が抜けやすいといった短所がありますが、国内に普及している空気入れのほとんどが英式に当てはまるうえ、万が一パンクしたときにも修理対応ができる自転車屋さんが多くあるのが特徴です。
バルブを塞ぐ「虫ゴム」は劣化が早いので、半年~1年程度で交換するのがおすすめです。
仏式バルブ(フレンチバルブ)
仏式バルブは主にロードバイクやクロスバイク、ミニベロなどに採用されています。電動アシスト付きのスポーツ自転車「E-Bike」も主に仏式が取り入れられています。
タイヤが細いスポーツ自転車は、一般的な自転車よりも空気圧を上げてタイヤの強度を高める必要がありますが、仏式バルブは高圧にも対応したつくりが特徴です。
米式バルブ(アメリカンバルブ)
スポーツ自転車の中でも、主にマウンテンバイクやBMXに使われているのは米式バルブです。マウンテンバイクはゴツゴツとした岩場のような悪路走行もできるのが特徴。そのため、バルブ自体も頑丈で空気が抜けにくい形状を採用しています。
すべてのバルブに対応可能な、アタッチメント付きの空気入れも数多く販売されています。
シティサイクル以外にも「趣味用にクロスバイクを所有している」「これから購入を検討している」など、複数台所有している方はアタッチメント付きの空気入れを持つのがおすすめです。
子供用の自転車はどうやって空気を入れるの?
タイヤのサイズが小さい子供用の自転車は、洗濯ばさみ状の口金部分がバルブにうまく差し込めなかったり、差し込めてもホースが曲がって空気が入らなかったりするケースもあるでしょう。
そんなときは子供用自転車専用のアダプターを使用すると便利です。
タイヤのバルブにアダプターを取り付けるだけで、空気入れが差し込みづらい子供用自転車も簡単に空気を入れられるようになります。
また、子供用自転車のように乗車頻度の少ない自転車も定期的な空気入れが欠かせません。
空気は徐々に抜けてしまい、空気が抜けたまま放置された自転車のタイヤは著しく劣化するといわれています。タイヤの劣化に気付かず自転車に乗った際、思わぬ事故につながる原因にもなるかもしれません。
普段乗る機会が少ない自転車も、定期的に空気圧の点検をしましょう。
自転車の空気入れの種類と相場
続いて、自転車の空気入れの種類とそれぞれの相場を見ていきましょう。
ここでは空気入れを4つの種類に分けて解説します。
手押しタイプの空気入れ
最もオーソドックスなのは手押しタイプの空気入れです。「フロアポンプ」と呼ばれ、英式、仏式、米式いずれのバルブにも対応している商品も多くあります。
相場は1,000~2,000円程度。英式のみ対応の空気入れであれば、100円ショップで売られているものもあります。
電動式の空気入れ
電動式にはハンディタイプのような手軽に扱える商品が多くあります。力を入れることなく簡単に空気入れが可能です。
相場は5,000~10,000円程度。充電方式の違いによっても変動しますが、自転車の空気入れとして使うならコードレスタイプがおすすめです。
空気の入れすぎを防ぐために、「空気圧調整機能」付きの空気入れを選ぶと良いでしょう。また本体の温度が上がりすぎると故障につながるため「過熱保護機能」が付いているとより安心です。
空気圧計付き空気入れ
手押しタイプのフロアポンプに空気圧計が付いた空気入れも、今や定番商品となっています。空気圧計があれば数値を見ながら空気圧を調整できるので便利です。
空気圧計つき空気入れの値段はピンキリです。特にスポーツ自転車向けの空気入れは性能も良く、中には10,000円以上する商品もあります。
一般的なシティサイクル向け(英式バルブ用)の空気入れであれば、空気圧計付きでも安価なものは2,000円台から購入が可能です。
ただし、英式バルブは空気圧が正確に計れないといったデメリットがある点に注意。あくまでもおおよその空気圧を計るための目安として考えておくのが良さそうです。
ハンディタイプの空気入れ
いざというときの持ち運び用にハンディタイプの空気入れも販売されています。こちらも1,000円以下で購入できる安価なものから3,000円台の商品まで、幅広い品揃えがあるのが特徴です。
中には米式や仏式といったスポーツ自転車のみに対応した商品もあるので、購入時には注意しましょう。
自転車の空気入れを選ぶ時のポイント
前述の通り、空気入れにはいくつか種類がありますが、結局どの商品を選べば良いか分かりづらいかもしれません。
ここでは電動アシスト自転車の空気入れを選ぶ時のポイントを3つ解説します。
女性でも扱いやすいか
空気入れを選ぶ際、最も重視したいのは「扱いやすさ」。女性でも簡単に扱えるように、軽量で持ち運びやすいものを選ぶと良いでしょう。本体が重すぎると空気入れを運ぶのが大変になるのも、軽量の空気入れを選んでおきたい理由のひとつです。
手押しタイプの空気入れを選ぶ場合、手と足で空気入れをしっかりと押さえながら、負担の少ない姿勢で空気を入れられる商品がおすすめです。
自転車以外に使う予定はあるか
空気入れを購入するなら自転車だけでなく、ボールやビニールプールなど他の用途にも使えるとより重宝するでしょう。車やバイクをお持ちの方は、それらに対応する空気入れを選べばいざというときにも安心です。
あらかじめアタッチメントが付属している商品なら買い足す必要がなく便利に使えます。
SGマークが付いていると安心
SGマークとは「一般財団法人 製品安全協会」による安全基準をクリアした製品にのみ付けられるマークのことです。SGマーク付きの商品を使用中、万が一事故が起きた場合には人的損害賠償の補償も受けられるのが特徴です。
空気の入れすぎによる事故や空気の充鎮中に空気入れ自体が破損する事故も実際に起きているので、安心と安全を証明するSGマークが付いているとより安心できるでしょう。
自転車の空気入れおすすめ3選
ここではおすすめの空気入れを紹介します。
手押しのフロアポンプと電動式の空気入れの中から、比較的安価に購入できる商品を3つピックアップしました。
ブリヂストン(BRIDGESTONE)スマートポンプ 英式バルブ専用
一般的なシティサイクルや電動アシスト自転車、子供用自転車など、英式バルブのみ対応の空気入れで問題なければ、ブリヂストンのフロアポンプがおすすめです。
小径車にも対応しているので、専用アダプターを用意することなく子供用自転車や一輪車などタイヤが小さい自転車の空気入れもできるのが特徴です。
1,000円台と安価な値段で購入できるうえ、空気入れには希少なSGマーク付きで品質面においても安心できるでしょう。
サムライ・ディング(Samuriding)フロアポンプ エアゲージ付き
サムライ・ディングは“自転車大国”と呼ばれる台湾製の自転車用品を販売する日本の企業です。手動タイプですが空気圧計(エアゲージ)が付いているので、空気圧を確認しながら空気を入れることができます。
また、空気を入れすぎたときに便利な「エアリリース機能」がついているのも魅力。英式・仏式・米式の3種類のバルブに対応しているうえ、ボールや浮き輪などの空気入れにも使えるアタッチメント付きで便利に使える商品です。
ホビナビ 電動エアコンプレッサー ミスターエアープロ
「ミスターエアープロ」は電動式の空気入れです。5種類のアタッチメントが付属しており、自転車はもちろん、車やバイク、ボールなど幅広い用途に使うことができます。
重さは1,780グラム(500mlペットボトル約3本強)と決して軽くはないものの、グリップが付いているので女性でも握りやすいでしょう。
充電式で、コードレスでも使用可能なので外出先での空気入れにも向いている商品です。
電動アシスト付き自転車の空気圧不足に注意!
子供乗せ電動アシスト自転車の中には、重心が低くタイヤが太めの自転車がありますが、空気圧不足であることが見た目には分かりづらいかもしれません。
しかし、子供乗せ電動アシスト自転車は特に空気圧不足に気を遣った方が良い車種でもあります。ここでは空気圧が不足することによって生じるデメリットを2つ解説します。
バッテリーの消費が早くなる
電動アシスト付き自転車は、空気圧が不足していると走行抵抗が大きくなるため、バッテリーの消費が通常よりも早くなると言われています。
「なんとなく進みが遅い」と感じたら、それはバッテリーの調子が悪いのではなく、空気圧不足である可能性が高いでしょう。
パンクの原因につながる
これは電動アシスト自転車に限らずすべての自転車に言えることですが、特に子供乗せ電動アシスト自転車は、子供の体重の分タイヤに負担がかかりやすいため空気圧不足に陥りやすくなります。
タイヤの内部にはチューブが入っており、そこに空気を入れることでタイヤ本体を守る役割をしていますが、空気圧が不足しているとチューブが傷み、結果としてパンクを引き起こす原因となってしまいます。空気圧不足にならないよう、定期的に空気圧の点検をするのがおすすめです。
なお、空気の入れすぎによるパンクも少なからずあるため「頻繁に空気を入れるのが面倒だから」と一度に多くの空気を入れるのはNGです。
適正な空気圧は自転車の取扱い説明書やタイヤにも記載があるので、分からない人は一度確認してみましょう。
まとめ
自転車の空気入れは、パンクの可能性を下げるために最も重要な作業です。
日常的に自転車に乗っているとついつい忘れがちですが、パンクによる思わぬ事故の発生を防ぐためにも定期的なチェックは欠かせません。
一家に一台、自転車用の空気入れを持ち、いつでも気軽に空気圧の点検ができる状態にしておきましょう。