「スシロー醤油ボトル舐め事件(スシローペロペロ事件)って?」
「自分の子供が同じようなことをして賠償請求されたら保険で備えられるの?」
SNSの普及にともない、軽い気持ちで迷惑行為を投稿した結果、SNS上で拡散されて炎上するケースが増えています。
迷惑行為によって損害賠償請求される事態に発展している事例も見られています。
こうした迷惑行為による損害賠償請求を個人賠償責任補償で賄えるのかどうか気になっている方もいると思いますが、結論からお伝えすると、保険で対応できる可能性は低いと言えるでしょう。
SNSなどではこうした未成年の迷惑行為に関する投稿が後を絶ちませんが、親が子供に対してやっていいことと悪いことの判断が付くよう、小さい頃から教育することが求められるのではないでしょうか。
この記事では、スシロー醤油ボトル舐め事件の概要と、損害賠償請求された際に個人賠償責任保険が利用できるかを解説していきます。
※該当事件は、現在進行形で未解決の事件なので予想になります。考え方の1つとなりますのでご了承ください。
スシロー醤油ボトル舐め事件(スシローペロペロ事件)とは
最近インターネット上で話題になっている「スシロー醤油ボトル舐め事件」。
岐阜県内の学生がスシロー店内の醤油さしボトルや湯のみを舐めたり、唾液のついた指で店内レーンの上の寿司を触ったりしている様子をSNS上で投稿し、インターネット上で炎上した事件です。
SNS上でこの迷惑行為の投稿が拡散した結果、スシロー側は多数のクレームを受けたり、店舗内すべての醤油さしの交換・湯のみの洗浄が必要になったりと、企業イメージの悪化などの被害を受けました。
スシロー側は迷惑行為を受けたことで当該学生と保護者の謝罪を受けましたが、刑事・民事の両方で厳正に対処していくと公式ホームページで発表しています。
参考:株式会社 FOOD & LIFE COMPANIES(あきんどスシロー運営会社)SNS で拡散されたスシロー店舗での迷惑行為について
参考:株式会社 FOOD & LIFE COMPANIES(あきんどスシロー運営会社)SNS で拡散されたスシロー店舗での迷惑行為に関するお知らせ
スシロー醤油ボトル舐め事件による被害総額は?類似の事例は?
スシロー側はこの事件での被害を損害賠償請求し、訴えが認められれば加害者の学生本人とその保護者が高額な賠償金を払うことになるかもしれません。
スシローの場合は、醤油さしボトルの交換や店内すべての湯のみの洗浄、企業イメージの低下などの被害があるので、今後どうなるかが注目されるところです。
インターネット上では、
- 被害総額は1,000万円~2,000万円くらいではないか?
- 株価が一時的に168億円も下落したから、168億円の被害総額では?
- 実質の被害総額は100万円くらいでは?
などさまざまな被害総額の予想が話題となっています。
今回の迷惑行為が客数の減少や株価の下落の原因になっているという意見も多々見られます。
しかし、迷惑行為と客数の減少、株価下落の因果関係は正確には立証できず、難しいとする意見も。
実際に加害者が負担することになる被害総額はどれほどになるのでしょうか。
過去に起こった事例を紹介してみましょう。
2007年多摩市の飲食店で4人のアルバイトが、店の洗浄機に体を入れるなどの行為が問題となり、飲食店は閉店となってしまいました。
飲食店側は1,385万円の損害賠償請求を求めましたが、最終的には和解となりました。
過去の事例を見ると、被害の立証や被害を回復するための高額損害賠償請求をしても、すべて認められるのは難しいようです。
参考:神戸新聞NEXT バイトテロで倒産したそば店は、200万円で和解
加害者がスシローへ支払う賠償金は「個人賠償責任保険」でまかなえる?
高額な賠償請求の話を聞くと、万が一自分も同じ立場になった際には払えるのか心配になることも。
高額損害賠償請求に備えられる保険として「個人賠償責任保険」があります。
個人賠償責任保険とは、保険を契約する本人やその家族が日常生活で誤って他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりして損害賠償責任を負った場合にその損害の補償をしてくれる保険です。
個人賠償責任保険は、自転車保険に加入したり火災保険や自動車保険などに特約として付帯したりすることで高額な損害倍書請求に備えられます。
今回のスシロー事件で高額損害賠償請求された場合「個人賠償責任保険」が使えるか気になりますが、迷惑行為が故意であることが明らかなので使えないのではないか、というのが予想です。
では、どんな時に「個人賠償責任保険」で補償できるのか事例を説明していきます。
個人賠償責任保険でまかなえるのはこんなとき
個人賠償責任保険で損害を補償できるのは、以下のようなときです。
- 売り物のお皿やコップを割ってしまった
- 店内で隣のお客さんのパソコンにジュースをこぼしてしまい壊してしまった
- 他人に自転車でぶつかりケガをさせてしまった
- 子供がボールを蹴って近所の家の窓ガラスを割ってしまった
つまり、日常生活で物を壊してしまったり、他人にケガをさせてしまったりした際の損害の補償ができます。
保険の対象になるのは契約した本人とその家族であり、補償金額は、保険の種類や保険会社によりますが数千万円~3億円と幅広い価格になっています。
このように個人賠償責任保険は「日常生活で自分や子供が他人の物を誤って破損させたとき」に使える保険です。そのため、スシロー事件では加害者が「意図的に」醤油ボトルを舐めていますので、個人賠償責任保険の補償の対象外になる可能性が高いのです。
参考:ソニー損保 個人賠償特約
まとめ:子供の行動については親が指導・教育していく必要がある
今回は、現在話題の「スシロー醬油ボトル舐め事件」を取り上げ、加害者が負担することになる賠償金を個人賠償責任補償で賄えるのかどうか解説しました。
個人賠償責任補償は、日常生活で自分や子供が他人の物を誤って破損させたときなどに使えるので、スシロー事件の加害者のように、意図的な行為については補償の対象外となる可能性が高いと推測されます。
今回の事件を通して理解しておくべきは、「親は子供が不適切な行動をしないよう、小さい頃から教育していくことが大切である」という点ではないでしょうか。
子育てにおいて教育は重要な責務の一つです。そのため親は子供に対して、何が適切で不適切かを伝えると同時に、子供自身でも判断できるように育てていくことが求められるでしょう。