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コラム & ニュース

栃木県で自転車保険の加入が義務化!保険の種類や加入方法、罰則を解説

全国の自治体で加入の義務化が広がっているのが「自転車保険」です。

「自転車保険って何?」

「入った方がいいの?」

「未加入なら罰則はある?」

今回は栃木県の自転車保険加入の義務化についてや保険の種類、未加入の場合罰則はあるのかなどを解説します。

栃木県の自転車保険加入の義務化はいつから?

栃木県では、2022(令和4)年4月1日に「栃木県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を制定し、2022(令和4)年7月1日から自転車損害賠償責任保険等(自転車保険)への加入義務が施行されました。

栃木県にお住まいの方は、すでに自転車保険に加入している方も多数いらっしゃるかもしれません。

条例の対象は「栃木県内で自転車を利用するすべての人」です。

条例が制定された背景には、近年の自転車事故の多発や、自転車事故による「高額賠償事例」が全国的に起こり問題視されていることが関係しています。

自転車事故で損害賠償責任が発生した場合の「経済的負担の軽減」と「被害者の保護」のため、自転車保険の加入が義務となりました。

自転車の安全な利用の促進や交通事故の防止など、安心して栃木県民が暮らせるようにという願いから条例を制定したのですね。

条例自体は2022年4月1日に制定しましたが以下の

  • 自転車損害賠償責任保険等への加入等(第12条)
  • 自転車損害賠償責任保険等への加入の確認等(第13条)

の2つの条例は2022年7月1日から施行が始まりました。

自転車に乗る人で、まだ自転車保険に加入していない方は、早めに加入するようにしましょう。

参考:栃木県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例について 

どんな自転車保険が義務化の対象になるの?

義務化の対象になっている自転車保険は「個人賠償責任補償」です(栃木県の公式サイトには自転車損害賠償責任保険等と記載されています)。

「個人賠償責任」とは、他人にケガをさせてしまったり、死亡させてしまったりした際の損害を補填する保険や共済のことです。

「個人賠償責任補償」の自転車保険に加入することで、自転車で事故を起こしてしまって損害賠償請求をされた際にも備える事ができます。

栃木県の条例では自転車利用者自身のケガや、自転車利用者がケガをさせた相手への補償額の規定はありません。

また自転車を使用する以上、誰であっても事故を起こす可能性はあるので、自転車保険の加入は義務となっており免除はないです。

自転車保険に入らないと何か罰則はある?

現時点では、自転車保険に入らなくても特に罰則はありません。

しかし、自転車に乗っている時に他人を巻き込んだ事故を起こしてしまった場合、想定外に高額な賠償請求が発生する可能性があります。

以下、実際に起きた自転車事故の高額な賠償請求例です。

自転車事故の賠償事例

賠償額 (万円)裁判所判決日被害者被害内容加害者・過失
9,521神 戸平成25年7月4日女性62歳歩行者 後遺障害小学生(11歳) 無灯火
9,266 東 京平成20年6月5日男性24歳自転車運転 後遺障害男子高校生 通行違反
6,779東 京平成15年9月30日女性38歳歩行者 死亡男性 交差点進行
5,438東 京平成19年4月11日女性55歳歩行者 死亡男性 信号無視
4,746東 京平成26年1月28日女性75歳歩行者 死亡男性 信号無視

引用:国土交通省 自転車活用推進本部 自転車事故の損害賠償に係る現状について

自転車事故を起こしてしまうと、上記のような高額な賠償請求をされる場合もあるので自転車保険の加入はしておくべきでしょう。

自転車保険の種類と加入方法

「個人賠償責任補償」の自転車保険に加入したほうがよいことが分かっても、実際にどんな自転車保険に加入すればよいのか迷いますよね。

まずは現在加入中の保険に「個人賠償責任補償」があるのかどうかを確認し、なければ自転車保険に加入するのがおすすめです。

実際にどんな自転車保険があるのか紹介していきます。

民間の自転車保険

民間の保険会社が「自転車保険」と呼ばれる自転車を運転する人向けの保険を取り扱っています。

「傷害保険」と「個人賠償責任補償」がセットになっている保険が主流です。

自転車事故で相手にケガを負わせた場合だけではなく、自分がケガをした時にも適応されるので加入しておくと心強いでしょう。

民間の自転車保険の申し込みはネットがメインですが、コンビニでも申し込み可能なので、気軽に加入できます。

個人賠償責任補償特約

自動車保険や火災保険、傷害保険などの「損害保険」に「個人賠償責任補償特約」を付帯することができます。

また上記のような保険の他にも、クレジットカード(※カードの種類によります)に個人賠償責任補償特約を付帯させることも可能です。

加入中の保険やクレジットカードがあれば、個人賠償責任補償特約を付帯しているか契約内容を一度確認すると、重複契約を防げてよいでしょう。

個人賠償責任補償特約は契約者本人だけではなく、契約者の子どもなど、家族も補償の対象に入るケースが多いです。

誰がどういった補償を受けられるのか、補償の対象範囲や補償の上限金額なども確認しておくと、いざという時の備えになります。

栃木県民共済生活協同組合

栃木県民共済生活協同組合(栃木県民共済)の自転車保険は、気軽にインターネットで申しこむことができます。

栃木県民共済の生命共済、傷害保障型共済、新型火災共済のいずれかの保険に加入済の方は、1年間1,680円で個人賠償責任保険にも加入可能です。

1ヶ月に換算すると140円で家族全員が補償の対象になり、補償の限度額は3億円なので、とても安心できる保険内容でしょう。

参考:栃木県民共済

TSマーク付帯保険

自転車安全整備士が点検した自転車には、「TSマーク」というシールが貼られます。

TSマークには賠償責任保険と傷害保険等が付帯され、保険の有効期間はシールに記載される点検基準日から1年間です。

TSマークのシールは青、赤、緑の3種類の色があり、色によって補償金額の限度や補償内容が違います。

参考:日本交通管理技術協会

栃木県PTA活動補償制度

栃木県の「栃木県PTA活動補償制度」では小学生・中学生の児童や生徒がいる家庭対象になりますが「賠償責任保険」が利用できます。

学校でのケガのほか登下校中の事故も補償の範囲内になります。

学校で配付される申込書での申し込みや、スマホなどオンラインでの申し込みも可能です。

参考:栃木県PTA連合会保障制度について

自転車保険加入の義務化の対象は?

栃木県の公式サイトによると自転車保険加入の義務化の対象者は以下になります。

  • 自転車利用者(未成年者を除く)
  • 保護者(未成年者が自転車を利用する場合)
  • 事業者(事業活動において従業員が自転車を利用する場合)
  • 自転車貸付事業者(借受人が貸付け用の自転車を利用する場合)

栃木県内で自転車を利用するすべての人が対象です。

参考 栃木県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例について より

栃木県以外の人も義務化の対象です

栃木県は「ジャパンカップサイクルロードレース」の大会が、定期的に開催されるほどの自転車の聖地です。

栃木県在住者以外の人もたくさん観光で訪れるでしょう。

栃木県在住者以外の旅行者なども、自転車に乗る際には自転車保険の義務化の対象です。

旅行先で自転車の利用をする際にも、もし事故が起こった際には自分で責任を負うことになります。

保険料は月に数百円ほどなので、自転車保険に入っておくと安心です。

まとめ:自転車に乗る人は自転車保険に加入しよう!

栃木県では、2022(令和4)年7月1日から自転車損害賠償責任保険等(自転車保険)への加入義務が施行されました。

自転車事故が原因で、全国的に高額な損害賠償請求をされたケースが背景にあるからです。

「個人賠償責任補償」はすでに加入している保険や持っているクレジットカードに付帯している場合も多いので、確認してから検討するのがおすすめです。

自転車保険は比較的保険料が安いものが多いわりに、補償限度額は高額となっています。

少しでも自転車に乗る人は、万が一の自転車事故に備えて自転車保険の加入をしましょう。

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