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自転車の交通安全

自転車事故で子供が加害者になったら?親が取るべき対策を解説!

自転車事故で子供が加害者になったらどうなるの?」
「賠償金ってどれくらいかかるの?」

未成年の子供がいる方や子供が頻繁に自転車を使うことのある方は、「子供が自転車事故を起こさないか」と不安になった経験があるのではないでしょうか。

自転車事故では被害者はもちろんのこと、加害者とその家族にも人生を大きく変えてしまうような精神的・経済的な負担が生じかねません。

実際、子供の起こした自転車事故で親に多額の賠償金が発生した事例も数多くあります。

子供の自転車事故の防止、事故が起きてしまった場合への備えのために保護者の方は対策を考えておく必要があるでしょう。

今回は、年齢に応じた自転車事故の発生率や自転車事故で高額の賠償金が発生した事例、親ができる対策などを解説します。

小学生の自転車乗用中の事故は高学年になると増加

小学生の自転車事故は歩行中の事故に次いで多い傾向にありますが、実際のところ歩行中の事故に巻き込まれるのはほとんどが小学生低学年です。

高学年になると交通事故に合うことは減りますが、相対的に自転車走行中の事故に合う確率が高まります。

実際、平成29年から令和3年にかけて行われた内閣府の調べでは下記の結果がわかりました。

引用元:内閣府ホームページ「特集 通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策について」

上記のデータから、小学5年生以降では歩行中の事故と自転車乗車中の事故の死者重傷者数が逆転していることがわかります。

自転車走行の経験値が上がる小学校高学年では、友達同士やひとりで自転車を楽しむ機会が増え始める時期でしょう。

この年代の子供がいる家庭では、特に自転車の事故に注意すべきといえます。

自転車で外出する子供が事故の加害者になる危険性

子供の自転車事故では子供が負傷する危険性と同時に、相手に怪我を負わせ子供が加害者になってしまうケースを考えなくてはなりません。

たとえ自転車の利用者が小さな子供でも、事故の状況によっては相手に命の危機にかかわる大きな打撃を与えてしまうケースもあるのです。

子供の自転車事故で相手に大きな損害を与えた場合、賠償責任を問われるのは子供本人ではなく、親権者となります。

例外的に親が子供の監督義務を果たしていることが証明できた場合には賠償の免責が認められますが、親権者が監督義務を遂行していると主張しても否認される場合がほとんどです。

未成年者が加害者となった自転車事故の事例

では、実際に自転車事故ではどれくらいの賠償金が発生する可能性があるのでしょうか

下記では高額な賠償金が発生した事例を紹介します。

賠償金場所・時期事故の詳細
9,266万円東京地方裁判所2008年6月5日判決男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。
9,521万円神戸地方裁判所2013年7月判決男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。
9,330万円高松高等裁判所2020年7月22日判決男子高校生が夜間、イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡した。

引用元:日本損害保険協会ホームページ

上記では、事故の被害者がバイクや自転車に乗っている場合でも重度の怪我などがある場合、高額な賠償金が発生していることがわかります。

高額な賠償金が生じる事故は、被害者にとっても加害者にとっても人生を大きく狂わせる出来事となるでしょう。

賠償金の支払いは避けられない

加害者の経済的な事情により賠償金が支払えない場合、自己破産すれば支払いが免除されるわけではありません。

破産法では加害者の過失によって相手側に生命にかかわる重い傷害が与えられた場合、賠償金の免責が認められないとされています。

実際、時速30㎞前後かつ無灯火で走行する自転車が被害者に正面衝突した事例では加害者が事件後に自己破産を行い賠償金の免責が決定していたにもかかわらず、後の裁判で免責が否認されました。

加害者は家や車などの財産を失い自己破産したとしても、被害者に一生をかけて償い続けなければならないことを覚えておきましょう。

事故を防ぐために親ができることとは

子供が自転車に乗る全てのご家庭では、子供が事故に巻き込まれたり加害者になってしまったりする危険が常にあります。

下記では親が子供とできる事故を未然に防ぐための心がけを紹介しましょう。

子供とともに行う交通ルールの日常的な確認

自転車事故を防ぐには、普段から子供と一緒に交通ルールを考えることが大切です。

下記の注意ポイントは子供に口頭で伝えるだけでなく、実際に道を走りながら子供と一緒に確認するとよいでしょう。

自転車に乗り始めた子供が怠りがちなのは一時停止や安全確認、安全のために自転車を押して歩くことです。

「止まれ」の標識がある場所や見通しの悪い道は安全の確認が必要なことを事前に子供に伝えておきましょう。

特に13歳未満の子供は法律で歩道を走っても良いと認められているため、歩行者の追い越し時やすれ違い時には細心の注意が必要です。

定期的な自転車の点検

毎日乗っていると徐々に進む自転車の傷みには気づきにくいものです。

走行中に自転車の不具合に気づくことのないように、日頃から自転車の点検を行うことをおすすめします。

自転車に乗る前には必ず、下記の項目を子供と一緒に確認しましょう。

子どもと一緒に実施する自転車チェックリスト

自転車の不具合は走行中に突然起きることがあります。

例えば、タイヤの消耗が徐々に進行すると、段差や障害物との接触時に突然パンクしてしまうこともあるでしょう。

日常的に自転車を点検する必要性を子供にしっかりと伝え、事故が起きる確率を減らす心がけが大切です。

自転車保険への加入の重要性

自転車事故が起きてしまったときに備え、自転車保険に加入しておきましょう。

傷害保険と個人賠償責任保険から成る自転車保険では、自らの怪我の補償はもちろん、相手の怪我に対する賠償金の補償も受けられます。

万が一多額の賠償金が発生しても、自転車保険に加入していれば支払いの負担を大幅に減らせます。

事故の状況によっては賠償金が数千万円にまで増大するケースもあるので、自転車保険は個人賠償責任補償が1億円以上の商品がおすすめです。

日常的な安全確認とともに自転車保険の加入を考えましょう。

交通安全ルールを守り毎日自転車の点検を続けていても、残念ながら自転車事故の可能性をゼロにはできません。

また、子供は自転車を乗りこなせるようになると、自転車での行動範囲が広まり習いごとや塾、クラブ活動などでひとり夜間に走行することも増えてくると思います。

「備えあれば憂いなし」という諺があるように、万が一の備えとして自転車保険に加入しておくことは子供と家族を守る上で大切です。

高額な賠償金が故に人生を大きく変えてしまうことのないように、ライフスタイルに合う保険への加入を検討しましょう。

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