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自転車の交通安全

【全国で頻発】自転車でひき逃げしたらどうなる?罰則や事例を解説

「自転車のひき逃げをしてしまったら罰則や罰金ってある?」
「自転車のひき逃げとして処罰されないためにはどうしたらいい?」

全国的にひき逃げ事故が頻発しています。

車でのひき逃げ事故がよく話題となっていますが、自転車でのひき逃げ事故もあるので自転車を運転する人も他人事ではありません。

自転車を運転するのなら、ひき逃げ事故を含め自転車事故全般で加害者になってしまう可能性は誰にでもあります。

今回は、ひき逃げ事故を起こした際の罰則やひき逃げ事故の事例の紹介をします。

ひき逃げとして処罰されないために気をつけることも合わせて紹介するので、ぜひご一読ください。

全国的にひき逃げ事故は頻繁に起きている

近年全国各地で、ひき逃げ事故が頻繁に起きており、新聞やニュースで取り上げられています。

ひき逃げ事故の実例をいくつか紹介します。

【ひき逃げ事故の実例】

旭署は30日、自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、横浜市磯子区西町、設備業の男(71)を逮捕した。(神奈川新聞)

参考:神奈川新聞 交通取り締まり中の警察官をひき逃げか、無免許の男逮捕

群馬県伊勢崎市境上渕名の県道前橋館林線で21日に発生した死亡ひき逃げ事件で、県警交通指導課と伊勢崎署は22日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、太田市のトラック運転手の男(62)を逮捕した。(上毛新聞)

参考:上毛新聞 トラック運転手を逮捕 群馬・伊勢崎市の死亡ひき逃げ事件

堺市中区の市道で27日夜、町内会の夜間パトロールをしていた男性4人が車にはねられ、うち2人が死亡したひき逃げ事件で、大阪府警中堺署は28日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、堺市中区小阪西町、建設作業員、猪木康之容疑者(49)を逮捕した。(産経新聞)

参考:産経新聞 大阪の4人死傷ひき逃げ、容疑で49歳建設作業員を逮捕

11日午後5時10分ごろ、那覇市寄宮の県道222号で、三原方面から識名方面向けに交差点を左折した黒色の乗用車が横断歩道を渡っていた女児(6)と接触した。女児は右足打撲のけがを負った。運転手は通報や救護措置をとらずにその場から走り去った。那覇署はひき逃げ事件とみて行方を追っている。(琉球新報)

参考:琉球新報 横断中の6歳児が車と接触しけが ひき逃げ事件として運転手の行方追う 沖縄・那覇署

紹介したように、全国各地でひき逃げ事件は多発しており、他人事ではありません。

以下のグラフは、ひき逃げ事件発生件数と検挙率の推移を表しています。

参考:令和3年版犯罪白書 第2節 犯罪の動向 ひき逃げ事件

全体的にひき逃げ発生件数は低下していますが、令和2年では死亡事故93件、重傷事故730件、軽傷事故6,007件という状況です。

ひき逃げによってケガや死亡をしている人がたくさんいることが分かります。

ひき逃げ加害者はどんな罪を問われるのか

車でのひき逃げがよく取り上げられますが、自転車でもひき逃げの加害者になってしまう可能性も考えられます。

普段の子供の送迎や通勤、買い物時に電動アシスト自転車で歩行者と接触事故を起こしてしまうケースも十分にあり得るでしょう。

仮に自転車のひき逃げの加害者になってしまった場合、どんな罪に問われるのか解説していきます。

自転車のひき逃げで道路交通法違反に該当することも

自転車は「軽車両」に分類されるので、自転車利用者も道路交通法の対象です。

そしてひき逃げは、自転車であっても罰金や懲役という罰則を受ける可能性があるので注意が必要。

まず自転車で事故を起こした後に逃げることで、救護義務違反、報告義務違反に該当し、道路交通法第72条に違反していることになります。

以下は道路交通法第72条の引用です。

(交通事故の場合の措置) 第72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下 この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を中止して、負傷者を救護し、 道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該 車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。 以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいない ときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に 当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の 程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交 通事故について講じた措置を報告しなければならない。

引用:警視庁 道路交通法・東京都公安委員会規則(※主に自転車に関係する部分を抜粋したもの)

交通事故を起こした本人が負傷者をそのままにして立ち去り、ひき逃げの「逃げ」の部分にあたるのが救護義務違反、報告義務違反です。

そして、罰則内容については、以下の道路交通法第117条の5と第119条で記されています。

以下は道路交通法第117条の5と第119条の引用です。

第117条の5 次の各号のいずれかに該当する者は,1年以下の懲役 又は10万円以下の罰金に処する。 一 第72条(交通事故の場合の措置)第1項前段の規定に違反した 者(第117条の規定に該当する者を除く。)

第119条 次の各号のいずれかに該当する者は,3月以下の懲役又は 5万円以下の罰金に処する。 一~九 (略) 十 第72条(交通事故の場合の措置)第1項後段に規定する報告を しなかつた者 十一~十五 (略)

引用:法務省

上記の引用によると罰則は、救護義務違反は1年以下の懲役または10万円以下の罰金、報告義務違反は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

自転車のひき逃げは重過失致死傷罪など刑事事件に該当することも

加害者として相手にケガを負わせたり死亡させたりしてしまった場合、過失傷害罪、過失致死傷罪、重過失致死傷罪に該当することもあります。

過失傷害罪は、相手にケガをさせてしまった罪、過失致死傷罪と重過失致死傷罪は相手を死亡させてしまった罪です。

重過失致死傷罪は、著しい注意義務違反(ながらスマホや無点灯など)が原因で相手を死亡させてしまった場合です。

暴行や傷害などではありません。

以下は上に挙げた3つのうちで、一番重い罪である「重過失致死傷罪」に関する刑法の引用です。

(業務上過失致死傷等) 第211条 業務上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,5 年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大 な過失により人を死傷させた者も,同様とする。

引用:法務省

重過失致死傷罪の罰則は5年以下の懲役で、100万円以下の罰金です。

また、ひき逃げ事故を含む自転車事故の加害者になってしまい、高額損害賠償請求をされることもあります。

自転車事故の高額損害賠償請求事例

自転車事故の加害者となり、高額な損害賠償を請求された事例を紹介します。

自転車運転中の男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた 24 歳会社員男性と衝突し、会社員は言語機能の喪失等重大な障害が残った。(東京地裁 平成 20 年6月賠償金額 9,266 万円)

自転車事故を起こして1億円近い高額損害賠償請求をされた例もいくつかあるので、自転車に乗る人は自転車保険に加入して備えるのがおすすめです。

(内部リンク)

ひき逃げとして処罰されないために気をつけること

事故を起こしてしまうと、気が動転してどうしたらいいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

もし自分が加害者となってしまっても、ひき逃げとして処罰されないために気をつけることがあります。

  • 運転をすぐに停止し、負傷者を救護する
  • 道路における危険を防止(危なくないところに移動するなど)
  • 警察に報告
  • 報告後警察官が来るまでその場にいる

パッと見た感じが大丈夫そうに見えたり、被害者側が「大丈夫」と言ったりしても、実はケガをしている場合もあるので念のため病院の受診をしましょう。

事故の被害者、加害者の自己判断ではなく、医師の診断をもってケガがあるかないかを決定します。

参考:高知県警察 ひき逃げとして処罰されないために

まとめ:自転車のひき逃げは他人事ではないので自転車保険に加入しよう

ひき逃げ事故は全国的に多々起こっています。

車だけではなく、自転車を運転する人も気をつけなければなりません。

事故を起こしてしまうと気が動転してしまい、普段からは考えられない行動をとってしまうことも。

ひき逃げとして処罰されないように、万が一事故を起こしてしまったら被害者の救助や警察への報告、病院の受診などを怠らないようにしましょう。

また、自転車保険の保険料は月々数百円からとリーズナブルで、コンビニやインターネットで気軽に申し込めます。

自転車に乗るのなら、高額損害賠償請求に備えて自転車保険に加入しておきましょう。

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